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【論文掲載のお知らせ】緊急事態宣言下における高齢者の身体活動や交流頻度などの行動変化についての論文がBMC Geriatricsに掲載されました。

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慶應義塾大学と川崎市は、2017年から2018年にかけて「川崎市における高齢者の暮らし方と健康に関する学術調査(the Kawasaki Aging and Wellbeing Project,KAWP)」を実施し、1,000名以上の川崎市在住の健康な高齢者の方々に調査へのご協力をいただきました。

今回、この調査にご協力いただいた方のうち487名の高齢者の方に、昨年4月7日に発令された第一回目の緊急事態宣言期間中の外出頻度や身体活動、交流頻度や外出時のマスク着用、手洗いなどについて電話アンケートを実施しました。

 その結果、94.5%の方は食事や睡眠、喫煙、飲酒などの基本的な生活習慣は変わりないと回答されましたが、54.6%の方は外出頻度が減少し、28.1%の方は身体活動量が減少し、32.6%の方は他の人との会話時間(電話やメールも含む)が減少したと回答されました。また、外出時に注意していることとしては、93.8%の方がマスク着用を挙げましたが、手洗い励行は50.3%にとどまりました。

 外出自粛は新型コロナ感染予防としては重要ですが、それに伴う高齢者の身体活動や交流頻度の減少が長期にわたると、心身の働きに影響を与えることが懸念されます。視力の低下など、高齢者の特性に配慮した、お家でできる運動プログラムなどの提供、周囲との交流の維持・工夫が望まれます。

本研究は、2月24日にオープン・アクセスのオンライン科学雑誌BMC
Geriatricsに掲載されました。

Yasumichi Arai, Yuko Oguma, Yukiko Abe, Midori Takayama, Azusa Hara,
Hisashi Urushihara & Toru Takebayashi. Behavioral changes and hygiene
practices of older adults in Japan during the first wave of COVID-19
emergency. BMC Geriatrics 2021 21:137.

https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-021-02085-1

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