東京百寿者研究
The Tokyo Centenarian Study(TCS)
※ 現在、参加リクルート、追跡調査ともに終了しております。
百歳以上の方々を百寿者と呼びます。多くの百寿者は、人生の大半を自立して生活されており、健康長寿のモデルと考えられます。私たちは百寿者の方々の医学的特徴や、生活習慣、性格や人生に対する考え方、さらには遺伝的特徴を明らかにすることにより、健康長寿の秘訣を探る研究を行っています。
慶應義塾大学病院では1992年に百寿者研究をスタートしました。はじめは老年内科の医師だけで百寿者の方々の訪問調査を行っていました。年間に20~30人の調査を行うのがやっとでした。そして、2000年からは東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)と共同して、東京百寿者研究(TCS)を開始しました。この調査では2000年から2002年にかけて東京都23区にお住まいの百寿者1,194名の方を住民基本台帳から無作為に抽出し、研究への参加の依頼状をお送りしました。合計で514名の方にアンケート調査にご参加いただき、このうち304名の方に医学心理学調査にご参加いただきました。
東京百寿者研究では、慶應義塾大学病院の医師と看護師、東京都老人総合研究所の研究員がチームを組んで、一人ひとりの百寿者の方のお宅を訪問し、健康状態や認知機能、性格、食習慣に関する調査、ならびに血液検査を行いました。この研究から、百寿者の方々の特徴として様々なことがわかりました。
- ほとんどの方が一つ以上の慢性疾患にかかっているか、既往がある。
- 高血圧と白内障、骨折(特に女性)の頻度が高い。
- 糖尿病にかかっている方が少ない。
- 日常生活機能(ADL)が自立しておられる方は全体の約2割。
東京百寿者研究の結果から、ADLが高い方は105歳以上まで長生きされることに気づきました。
そこで、百寿者の中でも、特に自立している期間(=健康寿命)が長い105歳以上の超百寿者(semi-supercentenarian, SSC)に注目し、2002年から全国超百寿者研究を開始しました。